板金加工もプレス加工もモノづくり現場で活躍していますが、どちらの加工が自社製品に合っているか判断できないと悩んでいる製造業の方も少なくありません。

状況に合わせて適切な判断をするためには、いくつかのポイントや基本的な違いについての理解が重要です。

本記事では板金加工とプレス加工の違いについて解説するので、気になる方は参考にしてみてください。

板金加工とプレス加工の基本的な違いとは？

製造業において、金属加工方法の選択は製品の品質や生産効率に大きく影響します。
特に板金加工とプレス加工は、金属製品の製造において代表的な加工方法として知られています。

しかし、それぞれの特徴や適した用途について、正確に理解している方は多くありません。
ここでは、両者の基本的な違いと特徴について、製造現場の視点から詳しく解説していきます。

板金加工とは？加工方法と主な特徴

板金加工は、金属板材を曲げる、切るなどの加工を組み合わせて立体的な形状を作り出す加工方法です。

主にレーザー加工機やベンディングマシンを使用し、金属板を所定の形状に加工していきます。
一品一様の製品や、多品種少量生産に適しており、設計変更にも柔軟に対応できることが特徴です。

プレス加工とは？加工方法と主な特徴

プレス加工は、金型を用いて金属材料に強い圧力を加えることで、目的の形状を得る加工方法です。
プレス機械と専用の金型を使用し、高速かつ大量生産が可能です。
同じ形状の製品を大量に生産する場合、高い生産性と安定した品質を実現できます。

加工設備と金型の違いについて

板金加工では、汎用性の高い加工機械を使用するため、初期投資を抑えることができます。
一方、プレス加工では専用の金型が必要となり、初期費用は高くなりますが、大量生産時のコストメリットが大きくなります。
金型の製作には時間とコストがかかりますが、生産数量が多い場合は製品単価を大幅に低減できます。

加工可能な形状と製品の特徴

板金加工は複雑な形状や細かい加工にも対応でき、設計の自由度が高いのが特徴です。
しかし、深絞り加工などの立体的な成形には限界があります。

プレス加工は金型さえあれば複雑な立体形状も一度の工程で成形可能ですが、金型の制約から設計変更には柔軟に対応できません。

まとめ

板金加工とプレス加工にはそれぞれ違いがあるといえる一方、どちらが優れていてどちらが劣っているなどはないといえます。

重要なのは製造したい製品の特徴や求められている工程に合わせることであり、それぞれの加工方法が持っている強みを活かすようにしましょう。